妄想鉄道研究所

九州スーパー特急

 このページは、上越スーパー特急の二番煎じとして、九州を横断する狭軌高速新線を妄想するものです。こちらは上越の「今あるものが本当はこうだったらよかったのに」とは違って、「今は無いけどこういうものがあればいいな」という案です。ただし、筆者は九州の事情には疎く、特に現地の在来駅の様子については資料が乏しい状況ですので、的外れなところがあるかもしれませんがその点はご容赦ください。(2007.02.10記)

【更新履歴】

  • 2007.03.02…地上設備の解説を公開(この時点で159hits)
  • 2007.03.02…東九州の特急ダイヤを公開(この時点で146hits)
  • 2007.02.25…車両運用を公開(この時点で103hits)
  • 2007.02.19…想定時刻表を公開
  • 2007.02.18…線路配線図を公開
  • 2007.02.17…九州特急網妄想案を公開(この時点で47hits)
  • 2007.02.10…路線地図を公開

1.九州高速線の路線概要

 九州高速線は大分線・宮崎線・長崎線の3路線から成る狭軌高速新線です。大分線・宮崎線は新たに妄想した路線で、長崎線は国の方で妄想建設している九州新幹線長崎ルート(西九州ルートとも言われる)そのものです。このページでは前2者を扱います。

九州スーパー特急/kyushu-express-map.gif
図1.九州高速線の路線

表1.九州高速線の路線一覧

路線名区間路線長最高速度主な仕様
大分線二日市~東別府99km200km/h全線複線 交流20000V電化
宮崎線大分~延岡73km160km/h全線単線 交流20000V電化
長崎線武雄温泉~諫早45km200km/h全線複線 交流20000V電化

 大分線はこの妄想の基幹を成す路線で、九州の東西軸の鉄道の競争力強化を目指すものです。筆者としては、九州新幹線の長崎ルートを造るならむしろこっちに資金と労力を投下した方がいいと思うんですがね…。

 本当なら博多から建設したいところですが、建設距離を極力短くする目的で二日市を起点としました。ここから南東に分岐して甘木(ここも自治体名の「朝倉」にすべきかも)を経由して うきは に至ります。この駅は現在の筑後吉井駅を自治体名に合わせて改称する前提としており、その場合は隣にある現在のうきは駅も改称する必要があるでしょう。

 久大本線の主要駅日田・豊後森を通って、湯布院から東別府へ短絡する長大トンネルを建設して日豊本線に接続します。こんなトンネルを掘ったら温泉がドバっと湧き出してきそうですね。

 このルートを建設した場合の所要時間は、博多~大分間で最速1時間を見込んでいます。表定速度は125.3km/hであり、高速新線の二日市~東別府間では(途中無停車の列車で)135km/hとなります。同区間は旅客専用線とします。

 宮崎線は、実のところ宮崎県内の走行距離はごく短いのですが、実質、宮崎県のために建設する路線なのでこの名称にしています。こちらは新幹線というよりはむしろ「ほくほく線」に近い性質の路線です。大分から豊肥本線と別ルートで南進し、豊後大野(現三重町を自治体名に合わせて改称)で豊肥本線と直交。ここに豊肥本線との連絡線を設けて、熊本方面への特急が高速新線に乗り入れられるようにします。豊後大野からは山岳地帯を長大トンネルで貫いて延岡に至ります。大分~延岡間の所要時間は44分、表定速度は99.5km/hを見込んでいます。

 なお、宮崎線区間では貨物列車の運転が可能で、大分~豊後大野間はDC特急「九州横断特急」も走行します。

 平行する在来線の取り扱いについては、筆者は基本的に廃止する立場をとっています。上の図の薄いグレーの区間がそうです。明治・大正時代に造られた様な、ルート・線形が現代の交通需要に見合わない路線は潔く廃止して、21世紀に通用する”在来線”を構築すべき、というのが筆者の考え方です。

2.九州特急網の再編について

 九州高速線の妄想では、九州島内の特急列車網を下の図のように再構築することを考えています。もっとも、九州新幹線(鹿児島ルート)の運転形態は現実世界でもさまざまな案があって流動的なので、このページでは深く考えません。長崎ルートも同様です。

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図2.九州特急網の妄想案(一部系統は載せていません)

 各列車の名称は、現行の列車名を踏襲しています。単に、(筆者が)列車名を考えるのが面倒くさいからです。もっともJR九州としては、この妄想がもし実現するとすれば、列車名もガラリと変えるでしょう。例えば、「にちりん=鈍足特急」の図式は完全に定着していますから、ここはぜひともイメージチェンジを図りたいところです。

3.線路配線

 大分線の配線は図3のようになっています。

 二日市駅では、高速新線⇔鳥栖・佐賀方面の乗り換えは階段を経由する必要があります。JR北海道南千歳駅のように2・3番線で逆線発着させるような運用はしません。これは、同駅の発着本数や追い抜きの回数を考えると、そんなことをしている余裕はないと思われるからです。

 日田駅には、同駅折返しの列車のために上り副本線(3番線)を設けています。

 東別府駅では、博多→東別府→別府またはその逆旅程の旅客の利便性を考慮し、下り列車は基本的に2番線に到着し、3番線に発着する列車と同ホーム乗換ができるようにします。また、小倉方面からの「ソニック」と他の系統の特急との相互乗換も大分駅ではなく同駅が拠点となりますので、ホーム上の旅客が風雨に晒されないように駅全体を屋根で覆います。なお1番線は事実上予備ホームとなります。

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図3.大分線線路配線略図

 宮崎線(図4)は、大分以南の輸送需要を考慮し、「にちりん」系統・「九州横断特急」がそれぞれ1時間に1往復運転できることを前提として単線で建設します。

 大分駅の配線ははっきり言ってテキトーです(高架化工事の配線計画図が入手できなかったもので…)が、これだけの規模は必要でしょう。

 博多→大分→宮崎(下り にちりん)および別府→大分→熊本(九州横断特急)の系統は6番線、博多→大分→佐伯(下り ゆふ)の系統は1・2番線、宮崎→大分→博多(上り にちりん)および熊本→大分→別府(九州横断特急)の系統は4番線、佐伯→大分→博多(上り ゆふ)の系統は3番線、小倉方面⇔大分(ソニック)の系統は3番線に発着させます。特急列車の相互の乗換は東別府駅の方が便利なので、大分駅では特に乗換利便性は考慮しません。

 豊後大野駅は現在の三重町駅の豊肥本線と直交する形で設け、ここから豊肥本線熊本方への連絡線を建設します。「九州横断特急」はこの連絡線を通って熊本方へ出入りします。

 延岡駅は現在の日豊本線の代わりに在来駅に乗り入れる形になります。配線はテキトーに描いています。

 なお、犬飼(信)と新北川(信)は、通常ダイヤでは必要ありませんが、ダイヤ乱れへの対応と貨物列車運転のために設けるもので、1線スルー方式として所要時間の短縮を図ります。

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図4.宮崎線線路配線略図

4.想定ダイヤ

 九州高速線大分線・宮崎線の想定時刻表を表2・3に示します。

 博多~大分~宮崎系統「にちりん」と博多~大分~佐伯系統「ゆふ」をそれぞれ1時間に1往復運転します。

 この高速新線により、博多~宮崎間の所要時間は2時間48分、表定速度は100.7km/hとなります。現在は「ソニック」+「にちりん」の小倉経由・別府乗換で5時間20分前後ですから、半分近い短縮が直通で実現します。

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表2.九州高速線下り運転時刻表
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表3.九州高速線上り運転時刻表

 列車の設定本数として、「にちりん」系統の1時間ヘッドは妥当なところでしょう。「ゆふ」系統の大分~佐伯間は1時間ヘッドが必要かどうかというと正直判りません。(2007年2月)現在のダイヤではこの区間でそのレベルのサービスが提供されていますし、博多に直結することで需要が増大する、と考えて、「ゆふ」のほぼ全列車を博多~佐伯間運転としています。

5.車両と運用

九州スーパー特急/kyushu-express-train.gif
図5.九州高速線用車両の編成図

 九州高速線の車両形式は、深く考えていません。ここでは単なる記号として上越スーパー特急の続き番号で3000系と呼びます。例のミトーカデザインの真似はとても筆者には無理ですので、車両のデザインもあえてしませんでした。読者の想像にお任せします。

 車両の基本的な考え方は上越スーパー特急の2000系に類似しています。ただし交流専用車なので交直両用車の2000系よりは主回路構成はだいぶ簡単にでき、大きなコストダウンが望めます。なお、パンタ間隔は極力拡げて集電性能を向上させています。パンタ間には特高引き通しを設け、在来線区間では開放状態で、高速線区間では短絡状態で走行します。

 編成両数は6両固定です。これにより、高速新線区間の有効長も120m+α(将来の増結に備えた余裕)と決まります。九州島内の輸送需要を考えるとαはせいぜい2・3両分でしょう。

 図6に「にちりん」系統の車両運用を、図7に「ゆふ」系統の車両運用を示します。前者は使用10編成+検査予備1編成=11編成、後者は使用7編成+検査予備1編成=8編成で、両者で計19編成114両の陣容となります。九州高速線はこれでも法規上は新幹線の一種なので48時間以内に車両の検査が必要で、特急車としての車内整備等も考えるとこれが最低ラインの車両数になると思います。

 車両基地は…筆者の考え方としてはできるだけ大分・宮崎側に設けたい(地元の雇用対策と人件費軽減のため)のですが、大分は「ゆふ」系統の運転区間の途中であり不適切、宮崎には現状で基地が無く現地における車両関係の要員の確保が困難ですから、どうしても博多側に設けざるを得ません。

 その車両基地を現在の南福岡にするか新たに設けるか、が、また問題でして…博多駅のホーム容量や回送の手間を考えると、博多の北側に新しい車両基地を構えるべきでしょう。

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図6.「にちりん」系統 車両運用図 はっきり言ってテキトーです。イメージとして捉えてくださいです…
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図7.「ゆふ」系統 車両運用図 こちらもテキトーです。あくまでイメージです…

6.東九州の特急ダイヤ

 九州高速線開業後を想定した東九州の特急列車群の接続ダイヤを表4・5に示します。このダイヤでは、ソニック・ゆふ・九州横断特急の運転時刻を接近させて乗り換えの利便性を確保しています。また、ソニックとにちりんも待ち時間20分で乗り換えできます。

 大分駅での同ホーム乗り換えは不可能なので、乗り換えは東別府駅が中心となります。そのため、同駅には時間待ちの乗客を飽きさせないような仕掛けが必要になるでしょう(例えば足湯とか…)。

表4.東九州の特急ダイヤ(下り方向) 九州スーパー特急/kyushu-express-tbl11.gif

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表5.東九州の特急ダイヤ(上り方向) 九州スーパー特急/kyushu-express-tbl21.gif

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7.九州高速線の地上設備

(1)土木構造物

 九州高速線は当然ながら新幹線鉄道の一種なので土木構造物はフル規格新幹線に準じたものとします。ただし、トンネルの中央通路やトンネル巡回車を省略する等のコストダウンを図ります(これは整備新幹線でもやっています)。この場合、運転時間帯にトンネル内で不具合箇所があった場合は、列車の運転速度を70km/hに規制して巡回することになります。高架区間における保守通路は従来どおり設けます。

(2)軌道

 保守費用低減のためスラブ軌道を標準とし、特に大分線の日田駅は分岐器部分もスラブ軌道として分岐器保守の手間を省けるようにします。宮崎線の豊後大野駅は、全列車停車を前提としてノーズ可動クロッシングを設けずにコストダウンを図ります。犬飼・新北川信号場は本線側を高速通過できるようにノーズ可動クロッシングを使用します。

 分岐器の融雪器は…九州なので本当は省略したいところですが、そうもいかないでしょうから新幹線では初のガス融雪装置を導入します。これは、プロパンガスを燃料とするもので、従来の電気温風式融雪器のアホらしいまでのエネルギーコスト・メンテナンスコストを大幅に低減します。そのかわり、1回雪が降るごとにガスのボンベを交換しなければなりません。

(3)信号通信

 高速区間については運転保安設備はデジタルATCによる車内信号閉塞式とし、それ以外の在来線区間はATS-Skとします。宮崎線は最高160km/h運転であり、ほくほく線と同レベルの保安設備でもいいかと思いますが、極力設備を統一する観点からデジタルATCとします。単線区間でのデジタルATCは台湾新幹線でも使っていますから技術上の問題は無いでしょう。

 また、信号設備には、JR東日本で開発しているネットワーク信号システムを採用します。これは、き電方式に直接き電を採用する(後述)するため、信号ケーブルが電磁誘導障害を受けないようにする必要があるからです。

 列車無線はLCXを使用したデジタル移動無線を採用します。これも、できればLCXを上下線で共用してコストダウンしたいところです。

(4)電力

 高速線区間の架線方式は、整備新幹線のCSシンプル架線をベースとしてトロリ線をPHC(析出強化型銅合金)に変更したPHCシンプル架線とします。き電方式は、ATき電よりも電磁誘導障害の軽減効果が劣るものの設備の大幅なコストダウンが可能な「直接き電方式」を本格的に採用します。

 変電所は大分線内に2箇所、宮崎線内に2箇所設けます。宮崎線は延長73kmと短いのですが、2箇所設けて相互にバックアップさせる必要があるでしょう。なお、変電所における「切替セクション」は、静止型機器により電源側の位相を制御する方式を採用して切替遮断器に関するトラブル撲滅を目指します。

 高圧配電設備は、長大トンネル区間では2回線2電源方式、その他の区間では1回線2電源方式とします。


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